この文書は,ワシントン大学 が公開している The IMAP Connection のページから,http://www.imap.org/whatisIMAP.html を意訳したものです.
ネットワーク関連の文書とリンクへ

IMAP とは何か?

IMAP とは Internet Message Access Protocol の頭文字です. IMAP は,(多分共有されているであろう)メイル・サーバが保持している電子メイルや電子掲示板に接続,利用するための通信規約です. 言い換えれば, IMAP を使うことで,「クライアント」の電子メイル・プログラムは,サーバに保持されているメイルや記事を,あたかも自分の記憶装置にあるかのごとくに扱うことができます. たとえば,自宅のコンピュータ上や,事務所のワークステーション,旅行中のノート・パソコンなどから,転送コマンドでコンピュータ間で電子メイルファイルの転送をすることなく,ある IMAP サーバに保持されている電子メイルを読み書きすることができるのです.

2台以上のコンピュータから(新着,保存を含めた)メイルや記事を扱えるという IMAP の機能は,電子的な情報伝達への依存の割合が大きくなり,複数のコンピュータを利用する人が多くなるに従い,とても重要になってきています.しかし,この機能はまだ理解が得られているとは言いがたいのです.たとえば,現在広く使われている Post Office Protocol (POP) は,一台のコンピュータを使っている限りはうまく機能します.それは,「クライアント」側にメイルを転送した後,サーバから削除する,という「オフライン」処理をもとに設計されているからです. この「オフライン」接続法は,複数のコンピュータからの接続には不適切です.なぜなら複数のコンピュータがこの接続法を使うと,その人宛の電子メイルがそれぞれのコンピュータにばらばらに保存されることになってしまうからです. ですから,各コンピュータが一つのファイル・システムを共有しない限り, POP ではうまく利用できる「オフライン」接続法は,利用者を電子メイルの保存や操作をするための1台のコンピュータにしばりつけてしまいます.

IMAP の基本目標は以下の項目を含みます:

この通信規約は,次のような操作を含んでいます:メイルボックスの作成と削除,名前変更や新しいメッセージが届いているかのチェック,メッセージの完全な削除,フラグのセットとリセット,サーバ側の RFC-822MIME 変換 (クライアントでは変換する必要が無くなります),検索,メッセージの属性やテキストなどのももとづいた効率よい選択.

規約の最新版は IMAP4rev1 であり,現在 Internet Task Force (IETF) の standards track に位置しています. IMAP は 1986 年にスタンフォード大学ではじめて開発されました. しかしながら,10年あまりたつまでは電子メイル業者の注意を引くことはありませんでしたし,現在でも POP のような初期の,機能の少ない規約ほど知られてはいません.( IMAP History 参照).

IMAP と同類の通信規約は,カーネギー・メロン大学で開発されています. これは "Application Configuration Access Protocol",略して ACAP と言い,クライアントがどこにあっても,設定ファイルやアドレス帳,ブックマーク・リストなどを操作できます.これは IMAP がメイルボックスに対してできることと同じです.

* メッセージ・アクセス法としての IMAP の利点に関する詳細な議論は, Comparing Two Approaches to Remote Mailbox Access: IMAP vs. POP および Message Access Paradigms and Protocols を参照.


(This page last updated: Friday, 14 Jun. 1996)

© 1996 University of Washington

意訳:篠田伸夫(福島大学教育学部) 1996.8.6